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サイト9


Jagdalpur-Andhrapradesh


旅のあらすじ

 チャッティスガー南部、゛Bastar"の首都ジャクタルプールへ。 中央インド最大の部族であるゴンド族が、近年まで長年の王国を守り続けた ジャクタルプールは、バスターの広大な自然の中にある中枢都市。 街にはビジネスを営む大都市からの移住者が多い。郊外には美しい滝や洞窟、バスターにおけるヒンドゥ・アディバシによる信仰の中心、女神ダンテシュワリを奉った寺が有名。


 地図にもガイドブックにもほとんど情報のないバスターについて知る手がかりはジャクタルプールの町だ、と期待していたものの、前首相の死を弔う 国民休日にぶつかってしまい、まったく身動きが取れない。バスや役所が一体いつになると動き始めるのか見通しがつかない状態。ハンツは「バスターは何度来ても同じだ!」という。

 仕方なく、私達はジャクタルプールからヴィシャカパトナムへの鉄道を使って、アンドラパラデッシュ州に南下することを決めた。 この鉄道は、鉱山の多いバスターから鉄を買い取る日本が、港町への輸送の為に敷いたもの。 彩り鮮やかな衣装を身に着けたアディバシの暮らしに触れながら、壮大な峡谷や美しい山々を通るインド一美しい鉄道ライン。現在この鉄道はインドに手渡されていて、一日数本の客車両はインド人旅行者やアディバシの足として活躍している。


ジャクタルプール駅前。
ここにはインドの他の都市とは異なる独特の雰囲気がある。どこか無造作に造られたようなこの街の向こうには別の文明が存在することを感じる。

 

鉄道の旅

  バスターでは人口の約半分が部族であり、彼らは村落をつくり独自の文化、伝統、言語、習慣をもって生活している。その多くを占めるゴンド族はヒンドゥ教の影響を受けて、独自の神々と女神ダンテシュワーを信仰し、ヒンドゥ教を拒否するその他多くの民族は、動物や森林などの自然に宿る魂を崇める 。


 ジャクタルプールを出発すると、いくつかトンネルを通りぬけて汽車は高度を上げてゆく。荒野のど真ん中にある各駅に停車すると、集まっているアディバシやあらゆる荷物を乗せて出発。

 

駅の周りには関係者の住む小さな集落がある。

 

 アディバシは自然を知る人々。ジャングルや砂漠の植物、薬草などにも詳しく、自然要素に対する彼らの純粋な信仰は、貴重な知識や経験を保持してきた。
  ハンツの話では、以前サソリに刺されて近くのアディバシの村に駆け込んだところ、村の老人の呪文とまじないで一瞬にして毒も痛みも消えたそうな。

 

  私達を含め、人種のるつぼと化した列車の中には、大きな槍や斧、ライフルを持つ人、羽や草木で身を飾った人・・・千姿万態。
いやはやインドはまだまだ奥が深い。すっかり旅慣れしているトルシーはすでに何を見ても驚かないようで、同席する小さな女の子と寝台の上によじ登って遊んでいる。

 


 鉄道はチャッティスガーを抜けると、オリッサ南部の先端を通ってゆく。 この辺りのアディバシは美しく髪を結い上げ、東インド特有の模様が入った布でその小柄な身を包んでいる。
 インド近代文明の波はアディバシの暮らしにも押し寄せている。乳房をさらけ出して暮らしていた女性達もブラウスやサリーを着用し始め、ナイロンのシャツを着たアディバシを見かけることもあります。

 

 彼女達は数ルピーの賃金を得るために、何十キロもの薪を頭にのせて荒野を歩く。
  自然の中でたくましく生きるアディバシもまたヴェーダの実践者であり、ヒンドゥ的論理にとらわれない 彼らなりの生き方をしている。

 

Borra Cave

 列車がアンドラパラデッシュ北部の美しい山脈に差し掛かると、私達はアラクで下車。 アラク峡谷を見下ろす見晴らしの良いこの山村には近郊の都市やカルカッタから訪れる観光客も多く、避暑地として知られている。
 ボラ洞窟へは、バスと乗合ジープを乗り継いで数時間。



前に広がる峡谷を見下ろすところに洞窟はある。


洞窟の入り口にはナンディ、
中にはシヴァ神が奉られている。

 

  ぼんやりとした明かりの中、急な階段を降りて洞窟の奥へ。 かび臭いイオウの匂いが立ち込め、頭上には一面にコウモリがとまっている。 さすがのトルシーも“こわい!”を連発しながら歩くことに。

 

 鍾乳洞が広がり、奥にある岩の階段を登るとシヴァ神の祠がある。

 


 アラクよりバスで港町、ヴィジヤナガラムへ。長い間乾いた荒野で過ごしてきた私達にとって、バスの窓から眺める緑と花にあふれるのんびりとした南国の風景はとても新鮮。

 

 

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