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〔 スヴァスティカ | オーム 




---- SVASTIKA(マンジ) ----

 日本では地図上に、仏教寺院周辺に、さらには布巾や陶器などの模様にもマンジを見慣れています。さて、サンスクリット語スヴァスティカと呼ばれる、音を持たないこの記号は、どのような意味と歴史を持つのでしょう?インドを訪れると、日本文化の源流がインドにあることを証明するかのように様々なスヴァスティカが見られます。インドでは知識、運、繁栄および成功を示すヴェーダのシンボルであり、そこに付けられる4点は、4つのヴェーダを意味しています。したがって、スヴァスティカは゛ヴェーダ"そのものであり、サンスクリット語訳は、swa = 存在、asthi = 質。100,000節に及ぶ゛マハーバーラタ "を理解することで、スヴァスティカの持つ意味を知ることができるとも言われます。しかし、時代と共にヴェーダやスヴァスティカの真意もまた忘れられ、今日には世界で様々な憶測がなされています。
 スヴァスティカは歴史上、高度な文化を生み出した場所に見られ、世界の様々な地域で崇拝されてきました。
現在のパキスタン、インダスの谷(モヘンジョダロ)では12000年と推定されるスヴァスティカが発見されていて、 おそらく人類の最も古い神への信仰を顕わすものと思われます。左写真では古代インドの土像にもその一つが見られます。これは何千年もの昔、地域を治めた聖王を崇拝する中央インドの原住民、ゴンド族の聖地です。
全地球の様々な文明に現れるこのシンボルの起源はヴェーダであり、ヴェーダ文明と共に様々な種族によって地球に分散し、崇拝されてきました。
 文献は地球をBharata- Varsaと呼び、その王バラータについて述べています。彼は世界的なヴェーダ文明を支持していましたが、カリユガ(悪徳の時代)が始まると、各地の争いにより世界は大戦争を迎え、マハー・バーラタは不正に襲われてゆきます。これらの王は戦場で死を迎え、指導者を失った世界は自主的なやり方で、様々な言葉に、物質的に、精神的に、宗教として、ヴェーダの文明を伝授してゆきます。こうしてバラータ‐ヴァルサの文化は今ではアジアに残り、そこでは古来の伝統としてスヴァスティカが尊ばれてきました。


お地蔵さんとマンジ(日本)


寺院の窓。ナルマダに沈む夕日を望む。

 スヴァスティカは太陽の特性として無知の暗闇に光を与え、意識を照らします。左右に回転する太陽の車輪と解説される場合もあり、アジアでは一般的に十字=平和、受動的に)、まれに斜め(=活動的に)と表されます。回転の方向については、前から見た場合 ()、後ろから見た場合()があり、仏教では男性および女性としても解釈しています。インドの神々がその手に持つスヴァスティカのついた本はヴェーダを意味します。また、上げられた神々の手に描かれるスヴァスティカは知識や運を人々に仲介する働きを示し、神へ近づく媒介としてこの神聖なシンボルを崇拝します。仏教では仏足などにも見られ、二元性(物質と精神)の存在を表す記号としても用いられています。


ジャイナ教のシンボル

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スヴァスティカはその上に並ぶ3つの点と共に描かれ、3ヴェーダを哲学とすることを意味しています。

 
ヒンドゥー教のシンボル

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中央の4つの点で、4ヴェーダの知識を修練することを示します。

スヴァスティカ:非暴力(ahimsa)と菜食の文化


Laxmi/ Ganesh

 さて、神聖な記号として特にヒンドゥー、ジャイナ、仏教で丁重に取り扱われるスヴァスティカですが、欧米諸国においては悪の象徴であり、トイレの壁や道脇に殴り書きされているのを見かけます。以前は欧米でも太陽又は幸運のシンボルとしてスヴァスティカが好まれていましたが、その後、ナチス・ドイツにおけるその解釈と崇拝が失敗に終わったことで、スヴァスティカの公共での使用は禁じられます。民族主義の印として人々はそこに嫌悪感すら抱くようになりました。スヴァスティカはどのように解釈及び使用されるかによってその作用や影響に大きな違いがあり、これは一本のマッチの火で隣の家を焼き払うか、隣人と共に火を焚いて料理をするかの違いです。
 アジアにおけるスヴァスティカへの意識的な賞賛は、平和と非暴力を推進すると共にヴェーダによる菜食文化を重要視してきました。スヴァスティカを尊ぶ ヒンドゥー、ジャイナ、仏教などでは、供物として水や草花、果物などを奉げることでその敬意を表し、ヨギやサドゥー、僧や哲学的な伝統を持つ人々の多くは自らヴェーダの知識を受け入れてきました。非暴力を重んじるジャイナ教のグループでは、小動物を傷つけないように足元を掃きながら歩き、間違って虫を吸い込まないように口にはマスクを掛けて全ての精神を尊びます。このようにして、ヴェーダの文化はスヴァスティカと共にアジア各地で維持、実践され続けました。


スヴァスティカとアーリアン

 アーリアンとは純粋であり物質的な錯覚を持たない人、それぞれのカーストに従って精神と神を追及するヨギや超越的な知識を持つ人のことであり、世界の血族的な人種を意味するものではありません。ヴェーダに従事する人々はアーリアンとしてスヴァスティカと共に、インドを中心とした世界各地にその形跡を残してきたのです。
 シュリ・ラーマ寺院を飾るこのスヴァスティカは、中央インドのアディバシ(先住民)によるもので、その下にはまだ地面に落ちていない子牛の糞(お尻から出てきたものをすばやく受け取ったもの)が平たくこねて並べてあります。(この純粋な牛糞は防腐性にすぐれ、宗教儀式やアユルヴェーダにおいて多目的に使用されるものです。)ヴィシュヌ神の化身であるラーマは、゛アーリアン‐ピタ = アーリアンの父"としても親しまれています。 ラーマーヤナの中で、彼は王として武士階級(クシャトリヤ)を導き、アーリアンとしての手本を示します。

  マハーバーラタの戦場でシュリ・クリシュナは、親友であるアルジュナを゛アンアーリアン= 非アーリアン"と呼びました。クシャトリヤ(武士)としての義務を放棄し、親族との戦いを避けようとしたアルジュナに、クリシュナは身体と魂、精神と神の性質について語り、後に彼は不正な家族に対し全力で戦いに挑みます。
 アンアーリアン(非アーリアン)とは物質を尊重する人々を指し、表面的な違い、人種や肌の色を重視する゛チャマール゛であり、これは低カーストにも値する゛スキンエキスパート"という意味です。その他、自欲を満たし常に世界の平和を妨げる悪質を持って生まれたひとを゛ヴァーナ‐サンカラ"と位置付けています。カーストを理解するのは容易ではありませんが、これらは差別ではなく、各個人の持つ性質と知力、カルマと知識の違いを指し、文献はカーストに適応しない義務を遂行することは大きな危険を伴うと警告しています。今日インドで一般的に認識されている出生や家系のみによるカーストの定義は、ヴェーダによって認められたものではありません。


その他


  神とお金(運)は結婚している!?(ラクシュミ&ナラヤン)

 ネパール暦2051年(西暦1995年)の2ルピー硬貨にはスヴァスティカヴェーダ神の紋章が見られます。創生の神ブランマー(シュリ・太陽・月)、破壊の神シヴァ(トリスラ/三椏槍)そして維持神ヴィシュヌ(蓮・こん棒・ほら貝・チャクラ)。この三神は宇宙明示において同時に活動し、私達の存在は常にこの三位一体に大きく影響されているのです。

ネパールのコイン

コンセントにも神々…


 今日、ヴェーダのシンボルは伝統的な結婚式の招待状・織物・家や寺院の装飾などのほかにも、電球・ステッカー・バッジなど多様に表現されていて、幸運をもたらすシンボルはインドのありとあらゆるところに見られます。


   Om ------ Mahalaxmi ------ Swastika

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 スヴァスティカはオームサインと並んでインドで最も頻繁に見られるシンボルで、特に結婚式や宗教的な儀式・式典などの祝辞に使用されます。女神ラクシュミを称えるラクシュミ‐プージャでは、幸運の女神を招き入れるために門前に数多くのオイルランプを灯し、各家の飾りやコーラム(砂絵)にスヴァスティカを用います。インドに限らず、スヴァスティカは世界的に最も人気のあるシンボルです。
コーラムのデザイン
 

コーラム、ランガヴァリ Tulsi−Devi

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To be Vegetarian is Nonviolence in Action.


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