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〔ヴェーダの神々と女神 : (1) | (2) | (3) 〕 |
ヴェーダの神々(デヴァ:神々・デヴィ:女神) インドへたどり着いた旅人の目の中に、まず否応無しに飛びこんでくるのは神々の姿。彼らはあらゆるところに在るのだから。マッチ箱、カレンダー、タイル、広告、名前、地名・・・・。リキシャやバスの中で、お店やチャイ屋にも、絵や神棚は必ず見られます。人々は火の神、水の神、富や幸運、恋愛から交通安全まで、物質世界を司る神サマ達を崇拝するのです。インドにおける神々の世界は、ヴェーダの影響を強く受けた伝統をもつ日本人にとって、とても親しみやすい文化の接点でもあります。 Veda ヴェーダ(“vid:知ること”、知識)は、すべての生命と宇宙全体を統制します。すなわち世界の物質存在はヴェーダに基づいているのです。 宇宙と精神に居住する魂の源である神を理解するために、世界はヴェーダをもとに創造されました。ヴェーダの教義は本来、神から神々へ、師匠から弟子へと口頭や意識の中で伝達され、実践されてきました。その歴史と師弟関係は古代、創世の時代にまでさかのぼり、ヴェーダの文化が最も古いものであること、そして永遠に存在する宗教サナタナダルマ(始まりなく終わりなき活動)であることを示しています。しかし、約五千年前にカリユガ (悪徳と無知の時代) が到来すると、人類の記憶力の低下を補うために、教えはデーヴァナグリ/サンスクリット語で記述されてゆきます。 ヴェーダの総大集又は最後である“ヴェダンタ”や神自身の文献としての顕現である“シュリマド・バガヴァタム(マハプラーナ)“は異なった主義のもとで伝えられている世界にある様々な宗教を含み、
人はその中に永遠のそして各個人に相応した精神の宗教を見出すことができます。ヴェーダに示される物質科学(avidhya)、哲学および宗教 は共に64種のヨガ=精神科学(Vidhya)を支えています。果報を求めた地域の大衆による宗教とは異なり、ヨガは自己と神を探求する人を自己達成と神愛(プレーム)の発見に導き、
個人の精神的な自己の存在と神との関係を認識するものであり、ヒンドゥー教を含む世界に存在する様々な宗教を超越しているといえるでしょう。 半神の神々(デーヴァ)や神の化身(アヴァターラ)は、模範として人類にヴェーダの宗教道徳の見本を示します。神々はその手に神聖なしるしを持ち、その力を示し、手と指で形作る“ムードラ”にはその特性をあらわしています。人は盛大な供養(ヤグニャ)を捧げて神々(デーヴァ)を喜ばせ、神々もまた人を喜ばせるのです。 こうした供養は各人の望みの達成や苦労の緩和を神々に求めるもので、その作用や効果を期待して行われ、
人と神々は互いに養いあって世界の繁栄をもたらすわけです。寺院を訪れては賽銭を投げ入れ、手を合わせて願をかける・・・・・・しかし神(バガヴァン)への道、ヨガの道をゆく人は自欲を求めず、宗教や祈りも捨てて神にひたすらひれ伏すので、神々のもたらす果報にも関心を持ちません。純粋で愛情深い献身に専念する“バクティ−ヨガ”のプロセスでは、愛を持ってのみ神との交流が可能になってゆきます。(バクティ=愛=献身)
世界と神々はエネルギーや多様な人格を持つ最高神を恐れてきました。だからこそ誰もが神を意識し、個人的に交流を持つことが可能であるといえるのです。
我々の目(cham chaksur)は物質世界に限られていて、神を見ることができません。知識の目(jnana chaksur)でヨガを理解し、それを成し遂げてゆくことによって、神聖な目(divya chaksur)が開かれて、神の世界を知ることができます。まずは神聖な知識や文献にもとづき、寺院に奉られた絵や神像、または河や山、植物や惑星などの自然条件に宿る神々を崇拝します。さらには大地のにおい、火の中の光、人間の強さ、そして罰を与える鞭などにも神の存在を見い出します。こうした訓練を続けることによって、自己とすべての魂の中に宿る神の存在(パラムアトマ)を認識してゆくのです。 |
――Vishva または Virat Rupam(神の普遍的な姿)――
ヴェーダによると3億3千万の神々が存在し、物質世界で活発に活動しています。これらの半神の神々は自然を支配し、様々な要素を司ります。五大要素である大地、水、空気、火、エーテル、そして時間、理解、知性や自我などのより繊細な要素も神々の影響を受けています。すなわち一本の草や路上の小石、さらにはヴェーダを理解する力も神々の影響なしには存在しえないのです。 |
笛を吹き、牛とたわむれ、女の子たちと踊る神クリシュナは、デーヴァ デ‐ヴァ(神々の神)として神々と全宇宙を統率します。同時に、魂の源として全ての生命の中にも存在する、物質世界を超越した最高の神(Sri Bhagavan)。スムリティの中でデヴァーキの息子、"Devaki Putra"とも呼ばれるクリシュナは、その多様な神格により“Ananta−Nam・限りなき名前(の持ち主)”としても親しまれています。牛飼いのゴパーラ、宇宙の神ジャガンナート、美しい黒色シヤムスンダラ、ケーシャヴァ、マドゥースーダマ、ヴァースデヴァ……
バガヴァッド文学は神の強さ、富および放棄力、美と名声、知識について語り、神を理解しそこに近づくことを教えています。 |
――Sri Venkateshwar (Vishnu)――
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幸運の女神ラクシュミにマッサージされ、 乳海に浮かぶ蛇のベット(Sesha)に横たわるヴィシュヌ神。 |