サイト8
夜になると、荒野の向こうから魂のこもった歌声が聞こえてくる。
音楽は真夜中まで何時間も続き、どこから聞こえてくるのかチョーキダーに尋ねても、向こうの方角だ、と指差すばかりで詳しいことは判らない。荒野の中に住む人々がもたらすバジャンや民謡は、ときに人間技を超えた迫力で、その歌声や太鼓の音は風に乗って遥か彼方までこだまする。CDやカセットで聞くインド音楽とは一味違う熱気満々のライブコンサートに耳を傾ける。 |
ジープに乗りこんだ私達は、村を出る前に案内人の家を訪れて家族と一緒にお茶を飲み、記念撮影。奥さんも同行することになる。 |
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“虎に注意!?” |
シハバより30キロあまり奥地へ。この辺りは巡礼者が訪れることも稀なようである。聖山の麓に着くと、私達は道なき岩山を登り始める。 |
ここでは写真を控え、持ってきた砂糖や茶の葉などを捧げて皆でチャイを飲み、サドゥの話に耳を傾ける。サドゥの案内で、ジャングルの奥にある巨岩までさらに歩く。 |
その昔、ある部族の王と妃がこの岩の洞穴で暮らしていたという。周りに並ぶ石像はアディバシのものとは思えないけれど、時代の流れの中でこの場所がいつも聖地として崇められてきたことを示している。 |
“City of wealth”と呼ばれるマハナディ河沿いの古都シアプールは、オリッサよりチャッティスガー一帯に広がった古代コーサラ王国の首都であり、一時はインド仏教の中心地として栄えた歴史を持つ。郊外には仏教遺跡も多く、村の中心は大小のヒンドゥー寺院群がひしめきあっている。 |
この寺には老婆を先頭に三家族が住み、合計十数人の子供達がいる。女性達は石臼で麦をひき、川へ洗濯に行き、裏庭に飼われた牛の世話してお婆さんの指示どうり忙しい毎日を送っている。
「この寺ができて何年になるのかは知らないけれど、とにかくものすごく古いことは確かよ」、と彼女達は誇り高く話す。寺の中を厳しく采配しているお婆さんは、「神様がすべてを見守っているんだよ」、とにっこり。 |
ラクシュマン寺院。 |
週に一度の青空市に村中がにぎわう。新鮮な野菜や日用品がずらりと並べられ、大声を張り上げる野菜売りと値引きのやり取りが続く。普段、女性はあまり村の中を出歩かないけれど、この日ばかりは彼女達の出番となリ、色とりどりの衣装をひるがえして買い物やおしゃべりに興ずる。 |
《 写 真 集 》